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柚希礼音&窪田正孝『唐版 風の又三郎』観劇…衝撃的で強烈だが魂に響く感動があった [宝塚OG]







我が大贔屓のちえさん(柚希礼音さん)がW主演している舞台、
『唐版 風の又三郎』を観劇しました!
もう1人の主演は、窪田正孝さん!


サクッと感想を残しておきたいと思います


いつもどおりですけど、
めちゃくちゃネタバレします!
これからご観劇予定の方で、
ネタバレされたくない方は、ここまででお願いいたします


さて、
今回の舞台作品は、
唐十郎さんの1974年のものだそうです
唐さんが主宰していた状況劇場で上演した作品


初演は、
根津甚八さん、李礼仙さん、小林薫さんという、
素晴らしい演じ手によって繰り出されたという幻の名作…


しかも、唐十郎さんという、
アンダーグラウンドな演劇の旗手ですから、
宮沢賢治の『風の又三郎』の世界そのものであるわけがありません


一体どんな作品なのか、見るまで見当もつきませんでした…


ここから感想なので、
本当にネタバレしていきます!


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今回3幕でした
1幕45分ずつの3幕
結構長いお芝居だったのですが、
あっという間の時間でした


特に、2幕目はいろんな感情が湧きあがり、
物語に引きずり込まれたせいか、
気がつけば幕が下りていた、という感じです





最初にお伝えしますが、
私はこの作品を理解したとは思ってません
むしろ難解な部分が多く、
「??」と頭の中で思うのですが、なんていうのでしょうか


頭でははてなマークが浮かぶんですけど、
目…視覚で訴えかけられ、
心にダイレクトにいろんな感情が飛び込むというか…
それにかき乱されつつも魅了されていく…目が離せない…という、
とても不思議な体験をした、という感じです


そして、セリフが美しかった…
言葉そのものは、猥雑だったり、
下品だったりすることもあるのですが、
大事な部分でのセリフは、本当に美しかったのです


久しぶりに、衝撃を受けた作品でした


人によっては、ちょっと中毒性があるかも…
私はハマりそうでした


クライマックスでは、自然と涙がこぼれていました


これが感動したということなのかどうかは、正直わからないのです
すごく不思議な感情でした
でも言えるのは、魂が浄化されたように感じたということです






まず1幕目の冒頭から風を表す何かが現れて、
すでに独特な雰囲気を醸し出してました


窪田さん演じる織部が登場し、
そこに1人の少年が現れます
織部は、その少年を自分が読んでいる「風の又三郎」だと思い、
「風の又三郎」と呼びます


その又三郎がちえさん!Σ(゚Д゚;)


ええ? ちえさんが又三郎なの?、
またそういう役なのかとビックリしましたけど、
少年っぽく振るまっているはずのに、少年性が薄く…
ちえさんって少年を演じられなくなったのかな、
と心配したら、
実は男性の恰好をしていた女性だったのでした…なるほど


織部と話を合わせるために、
又三郎という名を受け入れたに過ぎなかったんですね


ちえさんの今回の役は、
本当に強烈でした…
強烈なのはちえさんだけではないのですが…


ちえさんは又三郎ではなく、エリカという女性です


飲み屋で働いていた時に知り合った自衛隊員、
高田三郎と恋仲になります
ところがその高田が、
自衛隊から飛行機を勝手に飛行させたのちそのまま逃亡
挙句に命を落とします


エリカは高田の亡骸を求めて、
大帝国探偵社にやってきたのですが、
そこで高田の身体の一部が祀られてました


これがまずエグイ…
血の塊の肉なんですよね…


しかも、エリカはその肉を手にすると、
食べてしまいます…
もう「オエッ」ってなりそうでした…(^_^;)
人の〇ですよ、人の〇!(←自主規制)


周りの登場人物も、
「コイツ人〇食いやがった!」って大騒ぎ…


でも、これは究極の愛の姿として描かれているのです
エリカは高田を取り入れることで、一体になれると思っての行動
実際、エリカは幸せそうでした


この狂気とも思える場面を、
ちえさんが熱演するわけですよ…
もうお見事!


さすがは『佐川君への手紙』を書かれた唐さん…
しかも佐川事件よりももっと前に描いているんです
そこが凄い
あ、私は読んだことないです(^_^;)





さらに興味深いのが、
高田への想いが薄れたラスト近くでは、
自分の体に取り入れた肉が腐っているのを感じるのです
この描写も見事


ショッキングな2つの場面の印象が絶大ですけど、
ラストの織部とのやり取りは、愛だ恋だということではなく、
魂の結びつきなんだと感じました
だから、心が揺さぶられたんでしょう


ほぼ死にかけている状態の織部のために、
エリカは又三郎に戻って、
織部と一緒に飛行機に乗り、空を駆け巡ります
自由に空を舞う2人は、笑顔で楽しそうでした


夢なのか現実なのか、狂気なのかまともなのか…
その狭間を生き抜いたエリカを、ちえさんは熱演してました


いい作品に出会ったんじゃないのかな、と思います


小池修一郎先生がご観劇されたそうですけど、
どんな感想を持たれたのか聞いてみたいです






そして、
もう1人の主役の織部を演じた窪田正孝さん


私はドラマも映画も見ないので、
『アンナチュラル』くらいしかわからないのですが、
めちゃくちゃいい俳優さんですね!!


窪田さん、すっごくいい!!


演技が上手いのはもちろんなんですけど、
あの独特な世界観をよくぞ体現した、と思います


織部は、実は精神病を患っていて、
精神病院から抜け出したという男性です


どこか狂気にも似た部分、
思い込みの激しさは、そこから来ていたのでしょうか


それなのに、とても透明感のある織部なのです


事情が事情なだけに、
ちょっと風変わりな役のはずが、
すごく純粋に見える…
でも、実は両耳が無くなったり、
血だらけになったりと、なかなかのグロさがあるのですが、
窪田さんの本来の透明感が、嫌悪感を薄めてくれているというか…


この純粋で透明感な部分が、
舞台演出として成功なのかどうかはわかりませんが、
少なくても私は、窪田さんの存在感に惹かれ、
グイグイと作品に引き込まれました


凄い俳優さんでした
ちょっとドラマ見たいかもw(*´艸`)


月9の主演、おめでとうございます!


なぜ支持されているのか、人気があるのか、
よーーーくわかる舞台姿でした


エリカと織部をもう一度みたいです!






他にもご出演されてる方が皆さん、凄かったです
舞台やドラマでご活躍されてらっしゃる方もいましたし…
俳優さんの迫力ある気迫のある演技が、
より作品を昇華させてました


舞台全体が熱かった
熱量が凄かったです…


その中で、目を引くのは三腐人
この方々は、自衛隊の人っぽい気もするんですけど、
見た目が単なる妖怪
妖怪なのかな?
肉体が腐っているということを表現されているメイクでした
違うのかな?


特に、六平さんの乱腐は、
頭のてっぺんがパックリ割れているという…
最初見たとき、「オエッ」となりかけました(^_^;)
グロい…
あんな姿で人って生きれます?
やっぱり妖怪なのかな?


不思議な人たちでした


三腐人って女性嫌いでしたけど、なぜそうなのかはわかりません
確か1人だけ、女性の体に興味を示した人がいましたけど、
誰だったかは忘れました
六平さんではなかったです


珍腐か淫腐のどちらかですけど、
名前から淫腐かな?






気になったのは、
死の少年役だった大鶴美仁音さん
上手でした


最初女性が自衛官に扮しているのかと思ったら、
少年なんですよね
妙な色香があって、「あれ?」と感じたら、
実は高田三郎を愛しているという
なるほど、と感じました


セリフも聞き取りやすかったですし、声も好み
素敵な女優さんでした


大鶴さんという苗字のとおり、
お父様は唐十郎さんです


風のコロスって、
あのカタツムリを誘導していた人ですよね?
優美な動きと存在感が素敵で、
見せ方もさすがな女優さんでした


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精神病院のシーン、
ヒ〇ポンを想像させる麻薬の常習、
暴力と狂気、
肉の塊、血の表現、そしてカニバリズム…


タブーだったりセンシティブだったりの宝庫の上、
自衛隊機乗り逃げ事件という実在の事件を、
宮沢賢治の「風の又三郎」に絡めることで、
一種の文芸作品じゃないか、と思わせる不思議な作品でした


この作品って理解よりも感じることが大事なんだな、
と私の中では結論づけています





ちえさん、本当によく挑戦されました!
宝塚歌劇とは真逆の世界観なので、
役作りにものすごく苦労されたのではないでしょうか


ちえさんが、この舞台作品に出られたことを誇りに感じます


ラストの窪田さんとの2人の場面は、
ちえさんと窪田さんだからこそ表現できた愛の形でした
それが今でも心に刺さって、胸が痛いです…


いい作品に出会えてよかった!


愛犬ちょこちゃんの死という悲しみの中、
きっと天国のちょこちゃんも、
ちえさんの魂の震えるような熱演が見れて、
喜んでいると思います


もう1回みたいんですけど、星組公演を入れてて時間がない…(´・ω・`)


でも、もう1度観て、
自分の中での謎のパズルのピースを少しでも埋めたいなぁ
という気持ちに溢れています




『唐版 風の又三郎』は、
私の今年の観劇で、今のところ1番です!
まだ2ヵ月じゃない、というツッコミはなしでw(^_^;)


窪田さんの月9、見よっと!


あと、ことちゃん(礼真琴さん)が、
これを観劇されたら、どう感じたのかが知りたい!
ことちゃんは外部観劇が好きだから、きっと観劇されると思うし…
ちえさんの舞台だもの(*´艸`)



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